独身二十代のうちに家を買っておけ

昔は結婚してもしばらくは賃貸に住み、子供ができるとか、給料が増える三十代、四十
代になってからマイホームを買ったものだ。だが、いまは逆。マイホームを持つのは早げ
れば早いほどいい。独身二十代に買っておくとどうなるか。興味深い実例があるので、以
下にそれを紹介してみよう。
社会人になってまだ三年目、二十五歳のサラリーマンがいる。彼は親元から通勤してい
たが、一念発起して独立することにした。さっそく家賃五万六OOO円のワンル1ムマン
ションを見つけた。だが、いよいよ契約というとき、ふと思うことがあった。
「ここに結婚まで住むとして、いま恋人がいるわけじゃないから、まあ十年くらいは住む
んだろうな。払う家賃はどのくらいになるんだろうか」
家賃月額五万六000円×十二カ月H六七万二000円(年間)。十年間で六七二万円。
これに諸費用を加えて七二一万円という数字をはじき出した。「七OO万超か。けつこうかかるな。待てよ。七OO万円出すなら、中古マンションが買
えるんじゃないか」
彼は、自分が借りようとしていた地域をネットで調べてみると、中古のワンルlムなら
七OO万円で買えることがわかった。
「そうか。家賃と同額の月返済額で十年ロIンが組めれば、借りるよりは買ったほうが絶
対に得だな」
彼はファイナンシヤルプランナーに相談してみた。すると、この条件を満たすプランは、
次の場合なら可能であることがわかった。
年利二%の固定型で四九O万円の固定ロIンを組むと、月々の返済額は五万四五OO円
になる。だが、そのためには物件価格七OO万円の約三割に当たる一二O万円の頭金が必
要だ。さらに購入のための諸費用が約五O万円。
いま彼に二六O万円のキャッシュがあれば、この計画は実行できる。だが就職三年目、
親元通いの彼だが貯金はゼロ。「やっぱりダメか。こんなことなら貯金しておくべきだっ
た」。ある晩、彼は笑い話のつもりで、父親にそのことを話した。黙って話を聴き終わっ
た父親は、意外なことを言い出した。「頭金は俺が出してやる」
こうして彼は急転直下、七OO万円の中古マンションを手に入れた。借りた場合の家賃
とほぼ同額で、十年後はロlンを払い終えて自分のものになる。彼がその時点で結婚し、
住み替えるとしたら、そのマンションを「売却する」「賃貸にする」という二つの選択肢
がある。売却の場合、買った値段の三五%減、四五O万円で売れるとすると、父親に借り
た頭金分を返しても、一九O万円は手元に残る。また、売却しないで管理費込みの四万円
で賃貸に出せば、毎月約三万円の家賃収入が得られる。
年間三六万円。十年間、そのお金を積み立てていけば、大規模改修にも対応できるだろ
う。彼が定年になる頃は、リニュlアルされたマンションになっているはず。そうなれば
賃貸は可能だから、彼はそこから得られる家賃収入をまるまる老後資金の足しにすること
も可能だ。
以上は、住宅ジャーナリストの榊淳司氏が新聞掲載した記事を元にアレンジしたものだ。
物件選定さえ誤らなければ、いまは若いほどマイホームを買ったほうがトクをする。これ
が、いわば「お金になる家」ということである。

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